過激派ゴリラの戯言

映画とか舞台など未来の自分への記憶保管用ブログ。

映画:さんかく窓の外側は夜

 

2021年1月23日 9:30〜 中継付

 

原作はほぼ未履修(数年前に3巻まで読んだ)

【1月24日追記】全巻購入しました。3月10日の最終巻楽しみです。

 

  • 個人的に好きだった点から

ライティング(照明さん?)のセンスが良かった

主役2人が謎の屋上で焼肉食べながら冷川が「三角くん、顔色が悪いですよ」と言うシーン、冷川は焼肉の火(オレンジ)が肌に映えてるのに対して三角は信号機の緑かよくわからないけど夜の街の色が肌に当たって顔色が悪く見える演出良かった。

貯金箱入口のライティングも原作表紙のカラーリングっぽい雰囲気出してるんじゃないかなと思う。【追記:6巻からガラッと表紙の雰囲気変わってて全然関係なかった】

教団内の惨殺現場は安っぽかったけどライティングや雰囲気はよかったと思う。(冷川の事務所はもっと簡素な方が原作にそってるし、人間味のない方が冷川自身にも合ってると思うがあれはあれで個人的には雑多なのに変に洒落てて好きだった)

 

志尊淳さんの演技がめちゃくちゃ良くて、原作の三角と比べるとお顔が可愛らしいので合わないなぁ(原作三角は書店店員感あるけど志尊さんのお顔に書店店員感はない)と思いつつ若さというか悪意に晒されず生きてきた純粋さからくる誠実さとかは原作三角に並んでいたのではないかと思う。

ただ原作(3巻までの知識)よりもギャグシーンが少なくツッコミ役な立場がないのもあってか常にヒロイン的ポジションだったのはう〜んとなった。

多分オタクはみんな好きな過呼吸気絶から目覚めて冷川に落ち着かせてもらうシーン、涙がじわっと溢れてツーっと頬を伝う演技は圧巻でしたね。

あとここもオタク好きポイントだと思うけど、岡田将生さんと志尊淳さんの身長差良かった。

岡田さんもお顔が大変よろしかった。半澤のセリフで「あの無駄に顔のいいやつはどこだ」というのがあり、1人映画館でニコ...☺️となってしまった。

冷川か?と問われれば人間味がありすぎたけどそれは脚本のせいだと思う。

記憶を取り戻したシーンの上擦った声で「僕が、僕がやったんだ...」と震えているシーンは冷川か?と問われれば完全に違うが演技として私は満足でした。

 

カメラワークも個人的には好きな感じだった。

映像(実写)で目線(ものの上下左右の見え方、言いたいこと伝われ)を変える演出はあまりないけど、失神して横になってる三角の頬を叩いて冷川が起こすシーンで普通だと横向きのカットになるところを縦割りのカットにしているのが漫画っぽくって好きだった。(実際に原作にあるカットかは知らない)

貯金箱入口に初めて入っていくシーンで、三角と冷川が画面に線対象になり2人で扉を開く所は、まさに物語の本幕が主役2人によって開けられたという象徴なのかなと思った。

カメラのカットと音響(?)がリンクしてて画面外にいる人の声が小さく(マイクから遠く?)聴こえるのが臨場感あって良かったかなと思った。実際対面してる2人が喋ってる部分じゃそんな声の距離感変わらんだろってとこも大袈裟にされてた気もするけどこれも個人的には好きだった。

この映画はそもそもビジュアルを寄せるつもりはないんだろうという気はあったけど、ビジュアルが似てないわりにはキャスティングはハマってたと思う。

 

ここから批判!

  • まずは映画の内容から

 

ヒウラエリカ、雑魚〜〜〜〜〜!!

 

話が急展開すぎた。3巻までの知識の私にとってエリカも冷川も浮世離れして且つ超人的な力をもった強い人間というイメージがあるなか、映画ヒウラエリカに至っては呪い失敗して冷川に助けてもらったあげくよく知りもしない三角に弱音吐いてなんか糸(貯金箱のよくわからんやつ)に絡まって気絶してた雑魚だった。

原作みたく、人に媚びない態度でお金稼ぎをしているその実は先生から強制された行為であり、周囲の大人から護られず生きてきたという描写が必要だったと思う。

映画のヒウラエリカは北川景子さんを殺しただけだった。

「声」の力も原作知らないとなんのことだか分からないだろうなと思う。あと耳から出てるタールみたいなやつ最初の方(車乗ってるシーンとか)わかりにくかった。

原作知らないと分からないといえば、冷川がただ三角くんに意味もなくベタベタ触ってるセクハラ上司になってた。

 

なんか、ほんとにヒウラエリカ雑魚だったな...

 

上述のとおりとにかく急展開。

映画の最後で続編があることを匂わせるカットがあったが、それなら今回のストーリーで前後編にしてほしかった。

三角が契約云々に気付き冷川を問い詰めるシーンが最悪だった。

三角は今まで他人と違った見え方を嫌悪し孤独に一人震えていたという描写が謎の幼少期に置き換えられていて、それだけではどれだけ三角にとって冷川が救いだったのかが伝わらなかった。【追記:原作読み直したら三角にとっての冷川の存在やっぱり大きいなと思った。】

母親が添えるようにいたけどあそここそ全カットで良かったと思う。(原作ではもちろん重要な三角母だが今回の映画では尺をとるほどいい要素ではなかった)帰宅即ビール飲んでたから協賛に麒麟おるんか?って思った。映画はCMじゃないぞ。

三角がただのヒステリック野郎に見えたし実際そうだったと思う。

三角の誠実さと冷川の人間味のなさがうまく対比できておらず、かなり三角がお荷物ヒロインと化していた。私はこの映画を見ながらテイルズオブヴェスペリアエステルを思い出していた。

 

  • 続いて様々なイチャモン

原作の除霊話をカットして本筋だけ描こうとするなら月日の経過を服装等で表現してほしかった。撮影の都合だろうが出会いから最後までがワンシーズンでまじジェットコースター。いくら運命でももうちょい関係を築くのに時間を要してくれ。

というか除霊する時に見える幽霊の人生なに?幽霊の人生に興味無いんだが。

 

あと運命ってワード最高にダサく使ってくれたわね!なんと言っても最後がダサかった。

出会い(冷川から三角への「僕といれば怖くない」)と救出(三角から冷川への「俺といれば怖くなくなりますよ」)の立場逆転や、肉を食べるという伏線回収なんて絶対全人類絶賛ポイントなのに、なぜか笑っちゃうくらいダサかった。

なんというかカタルシスがない。本来なら(原作とは違うけど映画の流れとして)三角が救世主のようなものとなるのに手順をすっ飛ばしてるので急に出てきた知らん人という感じだった。

 

ダサかっといえば幽霊!!!!!!

なに!?!?!?!?

え、、、、、なに!?!?!?

ダサすぎんか!?どうした???芸人さんのコントの幽霊か!?!?M-1会場はあちらです!!!!!!!!

 

ヘアメイクさんとか(原作とは全く違うデザインだけど)綺麗にされてたし、衣装(黒ずくめについては後述)や小道具も拘ってたのにほんとになんだったの...

あまりにもダサくて全幽霊に爆笑してしまったし三角は眼鏡使わなくても絶対見分けつくよね。

メイクさん、岡田さんや志尊さんは最高に仕上げてくれたのに何故...と思いながらスタッフロール見てたら、「幽霊メイク」という担当がいた。犯人はお前か!!!!!!!

ついでにヒウラエリカは飾らないイメージだったので、平手友梨奈さんのリップがちょっと濃く感じられもっと限りなくすっぴんが良かったなと思った。【追記:2巻の「あたしが処女じゃなくなったら困るんでしょ」というエリカのセリフや女子高に通わされていたことから、徹底的に男から遠ざけられているイメージが私の中にあったっぽい。ただ私服は可愛いものやミニスカートも多いので可愛く化粧してるエリカもありな気がしてきた】

 

先に少し触れた、黒ずくめについて。今回の映画のコンセプトとして生者=黒、死者=白というものをとっているらしい。普通に映像として失策だと思う。原作としても三角やその他(霊)能力者にとっては死者が見えることが現実であり、区別ができず受け入れて生きていくしかないというテーマがあるのにこれはひどい

ラストのスクランブル交差点でモブ全員が黒い服着ており、三角も冷川も黒い服を着ているので画面映えが最悪だった。街中に溶け込んで消えていくという描写でもなかったのに主役どこだよと思った。

私はこの時特に関係はないがFF15で貴族は黒い服を着るという設定が「白い方が貴族っぽい」「洞窟などの暗い場所見えにくくでかなりプレイしにく」と非難轟々だったことを思い出していた。

 

結局の感想としては《ダサかった》の一言に尽きる。宗教団体や貯金箱のデザインなんだったんだあれ。途中謎にでてきた呪呪呪呪や死ね死ね死ね死ねのデザイン化された文字の必要性とは。なんか糸ぐるぐる巻きにされて平手さんが可哀想だった。

話は変わるが、映画公開記念の舞台挨拶において平手さんは体調が悪かったのかただただ態度が悪い人なのかどっち?詳しいファンいたらこっそり教えてほしい。志尊さんいなかったら空気重すぎてMCの人泣いちゃってたと思うよ。

 

原作をきちんと履修せずに観た身としては「雑なネタバレをくらった」という感じ。

実際読んでみたところ、かなり改変されている部分が多く原作めっちゃおもれ〜〜〜〜〜!となった。

映画を観て良かったということではないが、原作を買い揃えるきっかけをくれてサンキュなという気持ちはある。

 

聞いた情報によると、私が観ていない回の舞台挨拶で監督が三角の性格を少し変えたと公言していたそうだが、原作あるものでそれやっちゃあおしめぇよと私の中の江戸っ子が鼻をすすった。

なんやかんや書いたけど他にもツッコミどころはたくさんある。非浦母原作と違いすぎんか?とか先生どうするつもりなん?とかそもそもあれ先生なん?とか万華鏡なんなん?とかなんで冷川記憶ないん?とか幼少期冷川色々どしたん?とかなんで三角書店店員辞めてんの?とか三角家の夜ご飯量多くない?とか

普通に文章にするのが面倒なのでここらで終わらせる。記憶保管用メモの日記だけど別に残しておくほどのことではないので。

 

感想としてはこんな感じ。

 

原作めっちゃおもしれぇ。